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長谷川家

現代社会が生み出したモンスター

1分でわかる true tears

作品概要

感受性が豊かな少年少女を軸にした「人間成長」をテーマにした青春群像劇。

丁寧な心理描写とアニメならではの表現で心が震える名作であり、人の心にいつまでも残り続ける作品。

ヒロインの比較

湯浅比呂美

リアルの女性像。リア充が求める現実世界のたおやかな女性。

女性の視聴者が共感できるキャラクター。

石動乃絵

アニメの女性像。キモオタが求める二次元の天真爛漫な女性。

女性の視聴者が萌えられる人物。 

※『砂沙美☆魔法少女クラブ』の砂沙美と美紗緒の関係。

 

赤眼の涙のイメージ=「赤い木の実」というメタファー。

赤い木の実は赤眼の涙というシニフィエ

舞台装置である絵本=精神世界だということ。

絵本の少女(天使)=石動乃絵。

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ニワトリ

天空の食事(木の実)=涙

空を飛びたい=努力をする者

飛ぼうとしない=努力をしない者

地べたは「努力をしない者の象徴」。

乃絵ならではの心優しい純粋な感性からの表現。

雷轟丸が飛んだ=精一杯、努力をしたということ。

眞一郎(しんいちろう)が「飛ぶ」ということは、

麦端踊りの花形として成功するということ。

そして、絵本作家として成功するということ。

 

風呂場で比呂美ちゃんを見ること。

女体――リアルの女性像を表現。

異性である比呂美 譲に好意を寄せるとともに性欲の対象であるという比喩。

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物語の流れから比呂美 譲の入浴シーンは、

眞一郎の深層心理からくる妄想であるとわかる。

また、下世話であることの表現である。

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本来ならティッシュを使ってオナニー(マスターベーション)をする。

しかし、自慰をする代わりにティッシュ箱でニワトリを作る。

「呪い」を解くという行為だが、主人公が比呂美を異性の対象として見ている。

ティッシュ箱のニワトリというのは、家庭で小さくなっている、いわば飼育小屋のニワトリである比呂美を絵本作家ならではの感性で表現した作品。

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問 

朝食のシーンで下着が透けて見えた理由を答えよ。

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A 実際に衣服が透けたのではなく、主人公が、

比呂美のことを異性の対象や性欲の対象として

見ている演出であるため。

 

――ティッシュ箱のニワトリのもう一つの意味

乃絵の「あなた、飛べるんじゃない?」≒「あなた、頑張れるんじゃない?」

ティッシュ箱のニワトリを渡す。

しんいちろうが「これから頑張っていく」という決意表明。

地べたから雷轟丸になるということ。

 

第一話の簡単な流れと精神構造

「もっと、やさしい絵が描きたいな」

絵本のモチーフの女性は比呂美。

「どこかに天使がいて、君の涙を集めてくれればいい。そして、その涙で首飾りを作って樹に飾るんだ。キラキラ光る涙の樹」

仲上家で、いたたまれない思いを抱いている比呂美。

ガラス越しに登校する比呂美を見る。

ガラスは心理的な壁。

マラソン中に比呂美が精神的な疲労から転ぶ。

絵本のイメージの少女(石動乃絵)に出逢う。

「天空の食事」=「木の実」=「涙」

飛ぼうとしない≒努力しない

眞一郎=地べた(白い鶏)

眞一郎に「呪い」をかける石動乃絵。

「呪い」を気にする主人公。

踊りの花形として上手くいかない眞一郎。

脱衣所で比呂美の裸を見る。

ティッシュでオナニーをする変わりに――

オナニーの対象の比呂美を、

鶏小屋のニワトリに見立ててティッシュ箱のニワトリをつくる。

「ティッシュ箱のニワトリ」=「比呂美」

「ニワトリ小屋」=「仲上家」

「飼育小屋のニワトリ」=「仲上家の比呂美」

「飼育小屋」=「涙の絵本」=「現実世界」の3項対立であるとわかる。

また、地べた=「眞一郎」と「比呂美」。

眞一郎と比呂美や、

その他の登場人物の成長の物語だとわかる。

呪いを払拭するために乃絵にニワトリをあげる。 

 

乃絵は「頑張ろうとする決意」だと自己解釈をする。

原稿は落ちる。

しかし、乃絵には作品を認めてもらえる。

雷轟丸が死ぬ。

乃絵は、雷轟丸の代わりに眞一郎が成功することを願う。

原稿=ティッシュ箱のニワトリ=制作物

原稿が出版社に評価される=乃絵に評価される

乃絵には雷轟丸の代わりになる。

絵本の世界=現実世界との共通を示唆。

 

問 

眞一郎からティッシュ箱の鶏をもらった乃絵が喜んだのはなぜか?

 

 

 

 

 

 

答 

本来は比呂美を鶏小屋の鶏に見立てて作った制作物だった。

しかし、乃絵には眞一郎が自分自身を飼育小屋の鶏だと表現した制作物として受け入られたから。

また、地べたから雷轟丸になる決意の表れだと思い、眞一郎に対して好印象を抱き喜んだため。

 

乃絵「何を? 涙って何?」

問 涙のくだりで石動乃絵は、眞一郎のことを「見込みがある」と言ったのはなぜか?

 

 

 

 

 

 

 

 

答 逃げることなく自分なりの回答を告げた眞一郎の姿勢や態度を評価したから。

 

地べたから雷轟丸になりつつある眞一郎。

しかし、比呂美は第一話と変わらない境遇のまま。

冒頭のコンピューティングするシーンは第1話と同じ状況だということ。

比呂美は成長していない。

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第二話は第一話の肉付けになっている。

設定や物語の舞台装置の準備である。

食卓で会話をしない比呂美。

暗く物静かで自己表現の苦手な少女を演出するとともに、比呂美にとっての仲上家は「鶏小屋」であると表現。

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眞一郎に木の実を渡す石動乃絵。

赤い木の実は涙だから。

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乃絵「わたし眞一郎を見上げるのが大好き」

努力する人が好き。雷轟丸(理想・努力のシンボル)としてみている。

眞一郎とは、互いに高め合う関係。

付き合う関係ではないことを示唆。

比呂美「眞一郎君とはそんなんじゃないし……」

自分に正直になれない比呂美。オタク用語でいうとツンデレである。

鶏小屋を見つめる比呂美。自分は「鶏小屋の鶏のような存在である」と自己投影している。

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 「地べた」は、生きているのに鳥小屋を「雷轟丸の墓」にしたのは「地べた」はいらないということ。

鳥小屋を自分自身の状況に見立てている比呂美は気味が悪いと思う。

また、本質を理解できない乃絵は比呂美のことを「地べた」であると思う。

第三者である比呂美の友達の視点から乃絵は変わり者だということを印象付けるシーンとなっている。

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鶏小屋を見つめる比呂美の心理の整理

ニワトリ小屋=仲上家

ニワトリ(地べた)に自分を自己投影。

突然、狸に殺された鶏=比呂美の親の死

「学校での比呂美」と「仲上家での比呂美」

現実=「地べた」 

理想=「雷轟丸」

 

乃絵のことを快く思わない比呂美は眞一郎に接近する。

また、比呂美が眞一郎のことを心配する。

もう一つの比呂美像を主人公にみせる。

作った声で冷淡に他人事のように振る舞うことで、第三者の声(陰口)を表現。

 

「眞一郎くん、知り合いなんだ? 石動乃絵……あの子、変な噂がいっぱいあるの知ってる?」


「授業が終わると木に登って通りかかる男子生徒を、逆ナンしてるんだって……」

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醤油さしをとるシーンで、

意図的に演じてきた「仲上家での比呂美像」をとりはらうということがみてとれる。

いつもなら、「ごめんなさい」と謝るはず。

比呂美の表層意識と深層意識に注目する。

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比呂美が眞一郎に「石動乃絵を紹介してほしい」と言ったのは、

タイトルの「私……何がしたいの……」からも見て取れる。

比呂美自身、自分のことが分からなくなり困惑しているのである。

自分を偽り、「顔」を使い分けている比呂美は混乱している。

比呂美は複雑なリアルの女性を表現したもの。

複雑な比呂美 ⇔ シンプルな乃絵

第二話では比呂美は「自分が何をしたいのか」わかっていない。

 

小道具の瓶の表現は石動乃絵から着想を得る。

眞一郎の心が素直に表現される絵本=深層心理

「天使に化けていた怪物に瓶の中に閉じ込められ、途方にくれていた僕は、隣の瓶にも同じように閉じ込められていて泣いている女の子を見つけた」

ここでの「天使に化けた少女」というのは乃絵のこと。

天使のイメージとして出会ったものの、通りかかる男子生徒を逆ナンしている石動乃絵のことである。

そして、瓶に閉じ込められた比呂美。

眞一郎の「比呂美を救えない」境遇の表現にもなっている。

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 比呂美の回想

愛しの眞一郎が乃絵にとられると思ったから。

下駄は取り残される自分自身の表現。

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乃絵「あなたが私と友達になりたいって、仲上眞一郎が」

比呂美「……そう……あの……」

乃絵「嘘でしょ」

比呂美「……え?」

 

問 

なぜ乃絵は比呂美に「嘘でしょ」と言ったのか?

 

 

 

 

 

感の鋭い乃絵は、比呂美が乃絵に好意を抱いていないことに気付いており、好きではないのに友達になりたいと考えるのはおかしいと思ったから。

 

乃絵は比呂美と違ってシンプル。

 

 

 

 

問 

乃絵は比呂美に「友達になりたい」と嘘をつかれたのに、「怒っていないわ」と言ったのは何故か?

 

 

 

 

答 

比呂美を「地べた」のような存在とみなしている乃絵は、比呂美に対して興味・関心がないから。

 

 

女生徒A「あれ、石動乃絵?」

女生徒B「うわぁ……バイクでお迎え。ヒクゥー」

 

問 女子生徒Bの心情を答えよ。

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こたえ

マジひくわー

 

 

 

眞一郎 「この道あるいたよな。祭りのとき、お前はぐれちゃってワンワン泣いてさ」

比呂美「……覚えていないわ」

 

問 

比呂美が、「……覚えていないわ」と言った理由を答えよ。

 

 

 

 

 

 

答 実は、鮮明に覚えているが仲上家で暮らすと決まったときに、眞一郎への「想い」を封印すると決めたから。

 

比呂美は自分の嘘が隠し通せていると思っているきらいがある。

比呂美の嘘は表情やしぐさにでるのでわかりやすい。

これらの行動から、比呂美の嘘を判別できる。

また、優等生である自分の仮面を見破ることはできないとも思っている。

 

「目をのぞき込む乃絵」と「目をそらす比呂美」の対比。

「自己表現が得意な少女」と「不器用な少女」の対比。

「雷轟丸(乃絵と眞一郎・夢を追う・理想)」と「地べた(比呂美・現実)」の対立になる。

 

乃絵はキモオタが望むアニメ世界の少女。テンプレではない。

比呂美はキモオタが好まない現実の女性。普通の女の子。

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――涙の絵本より

「僕は、君に掴んでほしくて手を差し出した。そのとき雪が舞い降りてきた。赤い……赤。不思議な雪……」

 

問 文中の「君」とは誰のことか? 

   また、雪を降らしているのは誰か?    

 

 

 

 

 

答 

「君」とは比呂美のこと。

赤い雪を降らしているのは天使である乃絵。

 

絵本の情景で飛ぼうとしている鶏は、眞一郎の比喩。

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比呂美「あ、おはよう」

眞一郎「え? あ……もうそんな時間だっけ」

比呂美「ううん、私は男バスの試合の準備があるから」

眞一郎「あっ……そう……」

 

問 

主人公が比呂美に挨拶をされて一瞬、戸惑った理由を述べよ。

 

答 

今まで無口で挨拶をすることがなかった比呂美から急に「おはよう」とあいさつをされたことに違和感を覚え、戸惑ったから。そのため、すぐにあいさつができなかった。

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「石動乃絵! だから、赤い実はいらないんだよ」

「あなたが決めることじゃないわ」

 

石動乃絵は、夢追い人(雷轟丸)に天空の食事である涙を与えようとしている。

また、眞一郎のことを応援している。

では、主人公は「赤い実はいらないんだよ」と言ったのか。

 

眞一郎は第二話では、乃絵から貰った赤い実はきちんと持ち帰っている。

眞一郎は赤い実を「涙」と解釈しているが、

友達から言われた「赤い実の数だけ愛している」といった言葉から、

石動乃絵は「愛」と考えているのではないかと思う。

そして「赤い実」のことを、愛の象徴ではないかと考えるようになる。

赤い実は、「涙」から「愛」ではないかと思いつつある(絵本の赤い雪)。

また、彼氏との逢引きを見てしまった眞一郎は、乃絵に彼氏がいると思っている。

心優しい主人公が彼氏がいる乃絵のことを配慮したと考えるのが妥当である。

 

乃絵は赤い実(天空の食事)のことを「涙」であると思っている。

眞一郎は赤い実を「涙」の他にも 「愛」という意味で捉えるようになる。

ここでの構図は、絵本のメタファーになっている。

 

木の上にいる天使は、石動乃絵のこと。

見上げる眞一郎は鶏である。

また、赤い雪は「愛」のシンボルである。

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乃絵の彼氏と思われる「4番」が乃絵の兄であると判明する。

朋与「本当は仲上くんのことが好きなんじゃない?」

比呂美は石動乃絵の兄が好きだというが、

人をみて話さない比呂美の行動・表情から本当に好きではないとわかる。

そして、眞一郎に見られて驚愕する。

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――君はこんなにおしゃべりだった?

比呂美の変化を感じ取る浩一郎。

比呂美が嘘をついていると薄々感付く。

表情から比呂美は本当の気持ちを隠している。

絵本は理想世界。比呂美の内面の暗喩。清らか。

現実は絵本と違い目をそらす。乃絵とは違い眞一郎をまっすぐに見て話さない。

嘘をついており醜い。

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 ハーモニー処理。

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乃絵とは違い下着姿の描写が多いのは、

現実世界の女性を表現していることを我々に知らせるため。

今までのアニメの理論が通じない相手である。

また比呂美の裏側の気持ちを考える必要性を示唆している。

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 乃絵「今のあなたの涙には価値がないわ」

 

「今のあなたの涙には価値がないわ」と乃絵が言った理由を説明せよ。

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答 

比呂美のことで思いつめている

眞一郎の「悩み」を払拭しようと思ったから。

 

別解

自分を偽り、素直になれない眞一郎を見て、

比呂美のようになるのではないかと乃絵は考えた。

また、眞一郎が「地べた」に戻ってしまうのではないかと感じたから。

そのため、乃絵は「その涙、綺麗にしてあげる」と言った。

眞一郎をむしばむ菌とは比喩的には「比呂美のことを気にする気持ち」のこと。

 

――涙を天空に持っていてくれたおばあちゃん

「乃絵は本当に泣き虫だねぇ。お婆ちゃんはもうすぐお空に旅行に行くんだよ。

その時、着替えの洋服と一緒に、『乃絵の涙』を持っていってあげようねぇ。

そう、そしたら、泣き虫乃絵はもう泣かないで済むよ」

――それに対し乃絵の兄貴は……

「そんなのウソだよ。涙はあげたりもらったりできないよ」

「誰でもってわけじゃない。とっても……とっても大切な人の涙だけもらってあげることができるんだ」

もう泣かないようにと、

「涙を持ってく」と表現したおばちゃんであるが、

感の鋭い乃絵は、おばあちゃんの裏側の気持ちを読み取り、

「涙」は、「愛情」や「相手を真摯に思いやる気持ち」といった概念であると解釈する。

それから乃絵は泣けなくなったらしい。

愛しの存在である乃絵の涙をおばあちゃんが持っていったということ。

 

眞一郎は、「子供の思い込みが暗示になった」と解釈する。

「そう、私が大切だと思える選ばれし者の涙でなくちゃ」

「気高く、いつも上を見上げておばあちゃんのいる天空に近い存在の涙でなくちゃ」

 

「あのね。仲良くなってあげてもいいわ。湯浅比呂美。あなたのヘボ涙の理由。どうせ彼女なんでしょ?」

「女の感ってやつか?」

「そうじゃないわ。真心の想像力よ。相手がどうして苦しんでいるのか、どうすれば救えるのか。真心で考えるの」

眞一郎が元気になるのなら、湯浅比呂美と仲良くなってあげてもいいと答える乃絵。

 

わけのわからない女だと思っていた。

でも……と眞一郎は思う。

相手を思いやる心優しい女性だとわかる。

比呂美のことを「真心の想像力」で理解しようと思う。

主人公がカラスに向かって、「なにやってんだ! なにやってんだお前ら! 何やってるんだ! 俺! カァ! カァ!」と叫んだ理由を述べよ。

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答 絵本作家の感性をもつ眞一郎は、自分のことを鶏だと思えた。

また、空を自由に飛べるカラスは乃絵のように思えた。

乃絵のことをねたましいと思うとともに、

乃絵のようになりたいと憧れ、「真心の創造力」で、

比呂美のことを理解したいと思ったから。

 

野菜を選ぶシーンは第五話の伏線である。

乃絵「カボチャとトウモロコシ、どちらが空高くになっているかしら」

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 「 ……天使がふらせた赤い雪が白い雪に変わって、積もってゆく……ひび割れた大地に、汚れた水に、積もって……積もって……そこに広がるのは白い大地だ。どこまでも、どこまでも白い―― 」(涙の絵本世界)

 

問 

「白い雪」「赤い雪」「ひび割れた大地」は、

それぞれ、何の暗喩か? 説明せよ。

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答 

「赤い雪」は湯浅比呂美。

「白い雪」は石動乃絵。

「ひび割れた大地」は、

仲上眞一郎のメタファーである。

「赤い雪」と「白い雪」の二項対立。

ひび割れた大地は仲上眞一郎の心の状態。

 

優等生の仮面をかぶった比呂美ではない、

深層意識の無邪気な比呂美を垣間見ることができるシーン。

幼少の回想シーンの比呂美が本来の感情豊かな比呂美。

比呂美は自己表現が苦手といえる。

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 冒頭にマフラーという小道具がでてきたのは伏線。

少女漫画や青春群像劇、美少女ゲーム、恋愛小説、ライトノベルなどにおいて、

マフラーは冬の到来を予期させるとともに、「愛」といったシンボルを表す重要な小道具である。

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 乃絵がトマトを選んだ理由は、

「赤いトマト」が「赤い実」のように見えたから (赤い実は天空の食事(涙)であるため)。

トマト=天空の食事 ウインナー=地べたの食事

また、比呂美の表情を見て、「真心の想像力」を使い、比呂美の好きなウインナーではなくトマトを選んだとわかる。

※麦端高校の制服がダサいと思った人も多いだろう。

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マフラーを渡したのは、離れつつある眞一郎をひきとめたいと思ったから。

マフラーは愛情表現。

「温める」=「愛情」

回想の「おいてかないで、おいてかないで」

「マフラー」=「結ぶ」=「引き留める」

眞一郎の心が自分から離れていくのが嫌だ、という比呂美の深層意識の現れとみる。

マフラーはひきとめる役割を持つが、

雨の描写が入ったら、不安なことが起きる前兆であったり、

カーテンが揺れるカットが入ったら、主人公の心が揺れているといったりする。

人によっては、マフラーは比呂美にとっての涙という人もいるだろう。

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三人は、幼い頃の「思い出」に縛られているところがある。

幼いころの「思い出」を理想の存在である「雷轟丸」であるとも解釈できる。

今現在は「地べた」であるとも解釈できる。

物をあげたり、交換したりする表現が散見されるが、

物語の神の視点である乃絵のおばあちゃんのセリフからすべてを「涙」に置き換えても矛盾がない。

マフラーを貰った眞一郎が、

「これで二度目じゃん……なんだか悪くない」とつぶやいたが二度目とはどういうことか。説明せよ

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 答 

ここでの「二度目」とは、

比呂美の笑顔をみれたということ。

比呂美を笑わすことができてうれしかったから。

比呂美は表情にでやすい。

「一度目」は脱衣所シーン。

一度目は比呂美が笑うシーンが見れる。

二度目は、あえて見えないアングルを使っている。

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眞一郎は、「君の涙を僕は拭いたいと思う」

からあるように比呂美に笑顔になってもらいたいと思っている。

本来の比呂美をみせてほしいと思っている。

乃絵とはともに高め合っていく友達である。

第五話は小道具の回である。

 

「ウインナーは嘘つき。本当は赤くないくせに」

この「嘘つき」は、地べたの比呂美と、

地べたにもどりつつある眞一郎のこと。

「稽古があるからお前とは放課後、帰れない」

比呂美と帰っている眞一郎は嘘つき。

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だから、ここで、トマトを洗うのではなく、

ウインナーを焼く表現にした。

眞一郎のことを思って比呂美と仲よくしようと考えているだけで、

乃絵は比呂美のことを「地べた」であると思っている。

そのため、乃絵は、「地べたの食事」を作って、

比呂美に渡そうと考えた。

「天空の食事」=「トマト」 「地べたの食事」=「ウインナー」

乃絵は聡明で思いやりがある真っ直ぐな子。嘘が大っきらい。

 

ここでは、比呂美と眞一郎の二項対立にもなっている。

同じ赤色をしているが、赤い実と嘘の赤ウインナーとの二項対立にもなっている。

眞一郎にあげた赤い実。

比呂美にあげた赤いウインナー。

赤い実=天空の食事 ウインナー=地べたの食事

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翌日、昼休みにウインナーを交換するために、

弁当をもって校庭に階段までやってくるが比呂美の姿はなかった。

「比呂美」=「地べた」と考えているために、

地べたにウインナーを餌付けする。

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 「雷轟丸みたいだった!! 凛々しくて大きくて光ってて! 」

「それはダメ。嘘の食材(ウインナー)を口にしたら、もっと、もっと嘘つき(地べた)になっちゃう」

「嘘の?」

「ウインナーは本当は赤くないの!!」

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――乃絵は頑張る人、理想を求める人が好き。

麦端踊りを頑張る眞一郎を見て、

眞一郎は「地べた」に戻りかけていたが、

また、「雷轟丸」になれると思った。

「ちょっと誤解しかけていたの……眞一郎のこと……」

「でも、やっぱり眞一郎はちがったわ」

「眞一郎は『飛べる』!!」

「気高い涙を流せる人だわ」

眞一郎は光を照らしてくれる存在。

 

――絵本世界

「雷轟丸が、空を飛びたいと思い始めたのは、夜に大風が吹いた次の、ある、晴れた心地よい風の吹いている午後のことでした。

昨日の大風で折れたり千切れたりした、木の枝や草の茎が、地面には、たくさん落ちていて、いつも探すのは大変なエサになるムシ達も、簡単に見つけることが出来ました」

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雷轟丸は眞一郎。

「簡単に見つける」ことができたのは、

「絵本のアイディア」のこと。

「もしかしたら、俺は飛べるのかも!?」

ニワトリが飛ぶということは成功するということ。

「飛ぶ」=「成功する」

ここでの眞一郎は「絵本作家」と「麦端踊り」の花形としてこれから成功するのではないか、と思っている。

 

乃絵の兄は乃絵のためなら、

自分のことはどうなったっていいとすら思っている。

ルルーシュ君に似た様な、でも違う愛情を乃絵に注いでいる。

それくらい乃絵のことを愛している。

そのため、自分のことを大事にしていない。

 

眞一郎が比呂美の部屋で乃絵の兄が好意を寄せていると告げたときに比呂美が、

「おせっかいな男の子って馬鹿みたい」

と言った理由……。

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お決まりの比呂美の表情と、

「眞一郎」視点の演出と「比呂美」視点の演出に注目する。

ともよからのメールの「……ということで」の前に隠された文章を推測する。

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――(今日のこと……)

「蛍側高校の4番と会ってきた」

(……嘘!)

おそらく、ともよのメールの文面には、

「眞一郎と乃絵が一緒に弁当を食べていた」ということが書いてあったと推測できる。

真心の想像力を働かせて、

眞一郎は「真実」を言い「雷轟丸」になったが、比呂美には、「地べた」に見えてしまったということ。

 

なのに、気を利かせて「4番と会ってきた」といった

眞一郎に対して比呂美は純粋に怒り、

「おせっかいな男の子って馬鹿みたい」といったのである。

比呂美には真心の想像力が「おせっかい」=「嘘」に見えた。

 

別解

 部屋に入ってくるということは告白されると思ったのに、部屋に来てまで、気をつかって「乃絵の兄」の話をされたことに呆れ、気分を害したから。

 

第6話

愛ちゃんは、

わかりかりやすい従来の少女マンガの恋愛像。

ttはそれと違うことを示唆している。

眞一郎のことを好きなのは、愛子と比呂美。

「最近、おまえら仲よさげじゃん」

視聴者の意見と第三者の意見。

ベルト=ひろみからもらったマフラー

「雪は好きだけど、嫌い……」

過去のトラウマ(恐怖)。

 

『雷轟丸とじべたの物語』と『涙の絵本』は別物。

『雷轟丸とじべたの物語』は、乃絵にあてたもの。

『涙の絵本』は比呂美にあてたものと同時に物語のメタ。

「少女が去ったあと、そこに小さな水たまりができていた……」

水たまりは比呂美の深層意識のこと。

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二項対立

『雷轟丸とじべたの物語』は未来のこと。また現実のこと。

『涙の絵本』は過去や理想のこと。神の視点。

 

第7話

乃絵のいう恋はだれかを思いやること

乃絵のいう恋は眞一郎が考えている恋とは違う。

乃絵のことを思いやってくれること。

地べたになる眞一郎。

赤いの実が落ちるのは「恋」の演出。

比呂美をのぞくということ。

かわらなければならないと

白い雪が降ってくる演出=「乃絵」が変わるということ。

過去を受け入れて現実を受け入れるということ。

 

地面に「乃絵が好きだ」と書く演出は、

涙の絵本の「ひび割れた心」と同じ。

ひび割れた心(眞一郎)に白い雪(乃絵)が降る。

地面に雪が降るといった演出。

乃絵が好きだとかかれた字=ひびわれた大地

 

問 

第八話のタイトルである「雪が降っていない町」とは、どういう町か? 説明せよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

答 

白い雪は乃絵の暗喩であることから、

乃絵がいない町ということ。

 

問 第8話の乃絵が嫌いな地べたと一緒にいるのは、なぜか? 説明せよ。

「地べた寒そうだったから……」

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答 

眞一郎のことをもっと理解しようと思ったから。

別答

比呂美を思いやる眞一郎の気持ちを理解しようと思ったから。

ここでの眞一郎は「地べた」。

「地べた」→「雷轟丸」→「地べた」と変遷を辿るが、

これは眞一郎の優柔不断さを表現している。

そのため、「地べた」に戻るときにいつも乃絵は声をかける。

 

ともよは第三者=視聴者の視点。

乃絵は自分のことを自由に飛べる存在だと思いこんでいる(天使=カラス)。

そのため、地べたである眞一郎が、見上げる構図が散見される。

「眞一郎には空を見ていてほしい」=理想を追求してほしい。

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だから乃絵は、「眞一郎が寒そうだったから」

と言って抱きしめる。

これは、眞一郎が地べたであるため。

「はばたくこと」=成功するということ。決断するということ。

 

――絵本世界

「ついに明日は、空を飛ぶ日です」

 

問 

空を飛ぶ日とは何を指すか? 説明せよ。

 

答 

麦端踊りの花形として成功する日である。

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「雪が降っている町」=「乃絵に眞一郎が支配されている町」

「バスケットボール」と「絵本」

 

二人とも自分のことを大切にしていない。

乃絵の兄と比呂美の共通点。

バイク事故は、現実逃避であるため。

非現実であると思っているから、

恋の逃避行。比呂美にとって理想を追うこと。

二人ともバイクが壊れても、得になんとも思わなかった。

 

「赤い血が雪にそそぐ」演出

涙の絵本の白い雪が赤い雪に絵本の演出

「雷轟丸……なかなか飛べないね……」

「雷轟丸は薄々、感じているんだよ……10メートルの土手から飛べないこと……本当は10メートルの土手から飛んだってどこにもいけないこと」

「どうして……」

「雷轟丸は本当は最初から自分は飛べないって知ってるんだよ」

怖いから、気づかないふりをしている。

「恐怖」に打ち勝つこと。

瓶のこと。鶏小屋のこと。「鳥小屋」=「心の殻」

 

乃絵は、夢物語を語っている自分自身に気が付く。

自分のことをカラスだと思っていたが、

本当は地べたではないかと思う。

ここから、乃絵の成長の物語がはじまる。

自分が「地べた」であると知ったために、

「あなたが飛ぶところはここじゃない」といった。

ここでの眞一郎は、「らいごうまる」。

逆転現象が起こる。

乃絵が冒頭の比呂美のようになっているとも考えられる。

乃絵が「地べた」になる。

 

問 

比呂美がアイスクリームを食べるシーンが、

描写されないのはなぜか? 

 

答 

比呂美が乃絵を受けいれることになってしまうから。

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比呂美が雪かきをするのは、

眞一郎(ひび割れた大地)に接近したいという演出。

「白い雪」=「乃絵」を取り除いて眞一郎に会いたい。

気持ちを掘りさげる。

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埋もれる・雪が積る=離れる

掘る=接近

もうやめない恋人ごっこ。

      ≒

現実逃避をするのはやめない?

 

問 

仲上家からでるということは、

比呂美にとっては、どういう意味をもつか?

 

答 

鶏小屋である仲上家を巣立って、

比呂美は、「地べた」から「らいごうまる」になるということ。

眼鏡の比呂美=優等生の自分。

比呂美は、ちゃんと目を見るようになっている。

自分に素直になっている。

セーターの表現

セーター=温める=愛情

セーター=振り向いてもらえる

 

問 

第11話において、主人公が、

「踊りたくなかったのは、うまく踊れなかったからではありません。父親と比べられたくなかったからです。絵本が書けないのは、気分が乗らないからじゃありません。自分の限界を知るのが怖かったからです」

「おぎぁおぎぁ」

といったのはどういうことか。

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生まれ変わるということ。新しい自分になるということ。

 

作中屈指の至言

「親父ってさ……どういうときに泣く?」

「心が震えたとき……かな」

 

問 

最終話の乃絵の演出表現はどういう意味があると考えられるか? 説明せよ。

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自分自身が鶏小屋の中の「地べた」のような存在であると気がつけたとともに、

鶏小屋からでた自分が小屋や眞一郎のメッセージを見つめることで、過去を払拭するということ。

そして、本当の意味での「雷轟丸」になるということ。

 

イントロダクション

麦端高校に通う高校一年の少年・仲上眞一郎は絵本作家に憧れている。

ある日、学校の裏庭で自分が描いていたイメージとそっくりな天使に出逢う。

その天使から失った涙を取り戻したいと告げられる。

そんな静謐な空気につつまれた富山の物語。